岡崎市立図書館では、この地方にゆかりのある人物に関する図書資料の収集に力を入れています。とくに徳川家康、菅江真澄(すがえますみ)、鶴田卓池(つるたたくち)の3人については、文庫としてまとまった資料群を形成しております。これらの文庫資料は1階レファレンスライブラリーにあります。資料保存のため、複数所蔵がある場合を除いて、館内のみの閲覧となります。

家康文庫

徳川家康(1542年から1616年)は、岡崎生まれの武将・政治家で、若いときから苦労を重ねて戦国の世を生き抜き、信長・秀吉のあとをうけて天下統一を完成させ、江戸に幕府を開いて徳川の平和のいしずえを築いた人です。岡崎で生まれた、歴史上でもっとも著名な人物といってよいでしょう。市内には家康ゆかりの史跡・遺品が数多く残されています。
こうしたことから当館では、家康に関する文献は可能な限り収集しており、現在その数は約4,300点以上となっております。家康に直接関連する図書はもちろん、16世紀から17世紀を中心とした家康が生きた時代、それにつづく江戸時代史に関する幅広い分野の文献の収集をしております。家康や三河武士、彼らが活躍した時代のことを研究しようとする人にとって、まちがいなく宝庫といえる存在です。

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家康文庫

菅江真澄内田文庫

菅江真澄(1754年?から1829年)は、江戸時代後期の国学者・紀行家です。生誕地ははっきりとしませんが(岡崎生まれとする説と渥美郡の生まれとする説があります)、若いときに岡崎に住み、この地で勉学に励んだことは明らかな事実です。後年当地を離れ、出羽・陸奥(東北地方)・エゾ地(北海道)などを巡歴し、庶民の生活などについて見聞したことを日記・随筆・紀行・地誌などの著述に残し、角館(かくのだて・秋田県)で没しました。真澄の残した記録は『菅江真澄全集全12巻』(未来社刊)として出版されています。この全集の刊行を推進されたのは、秋田県在住の真澄研究家であった故内田武志氏でした。内田氏が生涯にわたって集められた資料(原本複製ファイル144個、写真約3,600余枚、フィルムネガ31本)は、武志氏の死後、その令妹ハチ氏から当地在住の江戸時代文化史研究者であった故新行和子氏を介し、当図書館へ昭和61年に寄贈されました。

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菅江真澄内田文庫

鶴田卓池文庫

江戸時代後期、岡崎の俳人として名をなした鶴田卓池(1768年から1846年)に関する文庫です。卓池は岡崎菅生(すごう)の紺屋に生まれ、俳諧を名古屋の加藤暁台(きょうたい)・井上士朗(しろう)に師事し、青々処(せいせいしょ)・藍叟(らんそう)などと号しました。79歳で亡くなるまで多数の門人をかかえて、この地方の俳壇の中心的存在として重きをなしました。また、卓池は画を石川貫河堂(かんがどう)に学び、独特の俳画の世界を達成し、遺品も数多く残されています。菅生の満性寺に墓があります。この文庫は、卓池ゆかりのかたがた(松下房江・鶴田通康・鈴木茂生の各氏)から、その所蔵されていた資料を当館に寄贈ないし寄託されたものが中心となって生まれた文庫です。書籍・短冊・軸物・粉本・屏風などが265点あり、なかには「紙本着色鶴田卓池自画像一幅」、「奥羽記(紀)行 」、「旅中日記」、「西遊日記」などの市指定有形文化財もふくまれています。
これらは、江戸時代の岡崎地方の文化、とりわけ俳諧史研究のためには欠くことのできない重要資料です。
図書館では、このうち約90点をデジタルアーカイブで、また76点を複製資料として(複製のみの資料はうち17点)公開しています。

文庫の資料一覧については「テーマ一覧>鶴田卓池文庫」を、デジタルアーカイブについては「テーマ一覧>鶴田卓池関連デジタル資料」をご覧ください。(新しいウィンドウが開きます)

鶴田卓池文庫