菅江真澄内田文庫
菅江真澄(1754年?から1829年)は、江戸時代後期の国学者・紀行家です。生誕地ははっきりとしませんが(岡崎生まれとする説と渥美郡の生まれとする説があります)、若いときに岡崎に住み、この地で勉学に励んだことは明らかな事実です。後年当地を離れ、出羽・陸奥(東北地方)・エゾ地(北海道)などを巡歴し、庶民の生活などについて見聞したことを日記・随筆・紀行・地誌などの著述に残し、角館(かくのだて・秋田県)で没しました。真澄の残した記録は『菅江真澄全集全12巻』(未来社刊)として出版されています。この全集の刊行を推進されたのは、秋田県在住の真澄研究家であった故内田武志氏でした。内田氏が生涯にわたって集められた資料(原本複製ファイル144個、写真約3,600余枚、フィルムネガ31本)は、武志氏の死後、その令妹ハチ氏から当地在住の江戸時代文化史研究者であった故新行和子氏を介し、当図書館へ昭和61年に寄贈されました。
当館ではこの資料を複製製本して公開しています。真澄の著述のほとんどが複製で見られる図書館は、ほかにはないでしょう。近年、真澄は民俗学その他の分野で大いに注目され、真澄に関連する図書もしだいに増えています。